のた犬のうまい猫めし

どら猫が作る、のた犬のための飯、略称、どら飯について語りつつ、各種技術、経済系セミナーに参加した報告、OSSいじってみた等のネタを入れていきます。更新情報はtwitterの@nota_inuにて。

楽天証券 新春講演会2015「2015年日本株投資戦略」楽天証券経済研究所 窪田真之氏 チーフストラテジスト

 日本株ファンドマネージャ歴25年。「3分でわかる今日の投資戦略」を毎朝連載中。(楽天証券のトップページ中段。過去ログも読める。)
年末で20000円を予想しているが、急落・急騰を繰り返す可能性。最終的には日本企業業績が伸びると考えている。
バリュー株:割安株。人気がない。熱狂して買う成長株ではないが業績がよくなり急激に上がる。鉄鋼、海運。
4大リスクが、アメリカ利上げ、逆オイルショック、欧州不安、xx。
20000円まで上がる理由が、会社予想が3%だが楽天証券予想が9%。2016年には11%。
この2年間見ていても、3回急落。3回目は去年11月。アメリカの金融緩和終了、エボラ。最後は企業が回復すると上がる。
年初からの株安は、逆オイルショック、ギリシア信用問題。オイルの下げる速度が速すぎた。1987年くらいにも「逆オイルショック」が使われた。1970年に上昇。80年に下がった。下がってもプラス効果がすぐに出てこない。すぐに「下がって大変」は出てきてしまう。今回は急落しすぎた。原因は、シェールオイル増産、サウジの減産見送り(ふつうは価格が下がらないように減産する)、中国の景気停滞。供給が増えすぎ需要が鈍化。今回は供給要因。リーマンショックは需要が消えて資源価格が下がった需要要因。原油より先に天然ガスの価格が下がった。(中東からアメリカが買わなくなり、ガス価格が下がった。)アメリカでガスの値段が下がりすぎ、ガス採掘業者が成り立たなくなった。シェールガスを減産してシェールオイルを増産した。
追加して、銅価格急落。オイルショックだけではなく、銅も鉄鉱石も入り、資源ショック。日本はメリットのはずだが、今は逆で、ショックが先に来ている。銅が下がる理由は、供給の増加。資源採掘の技術革新。シェールガスシェールオイルは技術革新で掘れるようになった。技術革新で供給が増えた。チリの大型銅鉱山を日本企業が2つ立ち上げた。金鉱石も、これまで取れなかったものが化学的などで取れるようになった。ハイテク製品と同様に技術革新によって値段が下がる時代。
1バレル100ドルから40ドルへ。シェールオイルは1バレル40-80ドル。60ドルあたりで原油価格がとまるのではないかと思われたが、止められなかった。(生産が始まったばかりのシェール油田が採算割れてもとるしかない。)シェール掘削業者が倒産し、銀行に不良債権問題。アメリカはシェールオイルの恩恵を受けて景気が良かったが、悪いことが目立ってきた。
資源価格が急落で得するのは、日本、アメリカ、ドイツ、インド、中国、トルコ。悪くなるのはロシア、ブラジル、オーストラリア、ベネズエラ、ナイジェリア、中東産油国。一番厳しいのがロシア。ブラジルは輸入超過だが鉄鉱石、石炭の暴落の影響。オーストラリアも。ベネズエラは原油。もともと借金が多かったのに財務不安。中東産油国は短期的にはゆとりがある。このまま続くとまずい。
OECDによる世界経済成長見通しだと、アメリカは2014年2.2%が3.1%になり高成長。BRICsは二極化。中国が7&、インドが5%なのが、ブラジル0-1%、ロシア0%。ロシアはまだマイナスの恐れ。中国は構造問題が隠れていていつか爆発するといわれているが、目先は資源価格下落がボーナスになり、2015年はそこそこ持つといわれている。インドはモディノミクス(モディ首相による経済改革)で上がる予定。
ギリシャ:与党が緊縮財政。野党が反緊縮財政。2002年に通貨統合できるようにヨーロッパ各国ががんばってきてギリシャは微妙にアウトだったのが入ったが、実は間違っており(粉飾)実態はさらにアウトだった。だがしばらくは緊縮財政で持ち直し、信用状態は回復したが給料は減っていた。1/25選挙では野党が勝利し、緊縮財政放棄でEU離脱の可能性も。ただユーロ使えなくなると通貨不安が発生するのでそこまでにはならないかと考えている。また、EUからギリシャが抜けてもそこまで世界経済に影響がないかも。ギリシャ金利が常用してもスペインイタリアには影響がなかった。(2014年。)資源安のメリットもある。今年は、ヨーロッパ問題で世界経済への悪影響は少ないのでは。欧州は22日に追加緩和。
原油急落でアメリカの長期金利は低下。ドイツ、日本も落ちていて世界的に続く。ただアメリカの利上げは今年最大のリスクかも。過去2年ではNYダウは右肩上がり。日経平均のほうが過去2年ではNYダウより上昇率が高かった。(ただしUpDown差が激しい。)世界のヘッジファンドが調整するときに日本で調整する。製造業中心で景気に影響がある。まず日本売って日本買う。この2年で3回下がったのは、NYダウが小さく下がり、その影響で日本が大きく下がったため。アメリカ中央銀行は事実上世界の金融。引き締めると世界中に影響する。アメリカの金融緩和縮小に加え、アメリカの大雪、アルゼンチンの不安などいろいろ乗ってくると大きく下がる。
今年の戦略は、きめ細かに。2014年10月を参考に。株が下がったが日本に不安要因がない場合には買っておく。持ち直したら売る。ヘッジファンドが売った分は個人投資家が買っている。逆に急騰すると売っている。過去20年の売買タイミング分析した場合、決して外国人のタイミングがよいわけではない。悲観的なこと言って下がっているときにきちんと買う。盛り上がってきたら売る。
 2014年中盤、1リットル170円。道路から自動車が消えた。リーマンショック時期にも同じ感じ。資源価格高騰でインフレ。それが140-120円あたりまで落ちた。アベノミクスがスタートして円安でガソリン価格が上がったが、そこまで下がったので、円安のでメリットが緩和された。電力料金はガスだが、原油に連動しているのでいずれ下がる。ガスが下がる要因はたくさんある。日本は世界一高いガスを使っているが、ロシアからパイプラインを引く計画があり、それが実行されるとかなり安くなる。
 円安メリット株は、自動車のトヨタ、機械の日本精工、電気の三菱、ゴムのブリヂストン。その他鉄鋼のJFE、海運の日本郵船、化学の富士フィルム、観光のJR東日本。大幅な円安で、鉄鋼は安値品が入ってこなくなり、利ザヤ拡大。(中国、韓国から安いのが入ってこない。)海運は、資源を運ぶ定期船は下がっている。定期船が多いところを選ぶのがよい。高配当利回りとして、商社の三菱商事、医薬品の武田薬品、通信のNTT、銀行の三井住友。賃貸ビル含み益で、倉庫の三井倉庫、不動産の京阪神ビル、海運の飯野海運、陸運の……。