のた犬のうまい猫めし

どら猫が作る、のた犬のための飯、略称、どら飯について語りつつ、各種技術、経済系セミナーに参加した報告、OSSいじってみた等のネタを入れていきます。更新情報はtwitterの@nota_inuにて。

楽天証券 新春講演会2015「2015年米国経済・株式相場の見通し」ホリコキャピタルマネジメントCEO 堀古英司氏

 東京銀行ヘッジファンド、その後ホリコキャピタルへ。テレビにも出演。自由の女神運用アドバイザ。
 2014年の頭では、アメリカ経済3%成長、ドル円120円、日経平均2万円@2013/12/27テレビ東京ニュースモーニングサテライト。ドル円は当たった。
 ドル円は、実質金利差によって動かされる。日米実質金利差とほぼ同じ動き(2007年から)。去年の段階で110円ほどに行ってもおかしくない状況だった。今はどう見ても差が拡大傾向。割り出されるレートよりもっと円安になってもおかしくない→120円と判断。
 金利差が拡大するなら、113円よりいってもおかしくない。長期的にアメリカに投資する場合、113円まではドル買いで。今年に限っては、120円から行って5%。
 先進7か国の10年国債利回りを見ると、長期金利が上がっているところはない。景気は良いが債権が売られる状況ではない。人口高齢化が世界的に進み、長期的な資金がさまよっている。先進7か国で一番高いくらい。(イタリアが随分と下がった。今1.7%。)日本の金利は下がる余地はないがアメリカはまだ余地があるため、日米差が拡大することは少ない。(今年以降は拡大するかも。)
 原油価格がここまで下がると、物価が下がらざるを得ない。金属、運輸に下落圧力。FRBはインフレ目標2%を目指して調整していたが、達成が難しくなった。1.25%くらい。金利を引き上げるということは、後戻り絶対しないと確信できること、なので引き上げられず後にずれるのでは。
 投資対象として検討してほしいのはアメリカ株。FEDモデルによると、10年物国債は1.8%まで下がっているが、S&P500益利回りが合わせて下がっていない。配当利回りもほぼ一定。(これまでは長期で同じような動きがあった。)株価が下落しているため益利回りが6%となり国債との差が開いた。これまでは4%以上開いたことはない。(これまでは2011年が最高。)今の4%はけっこう目一杯で、株がかなり割安。配当利回り国債を上回ったことも2011年だけ。株式は、リスクはあるが、こういう状況は珍しいので、いずれ解消するときには「投資してよかった」と思う可能性が高い。
 2014年10月では市場が恐れる8つのEがあった。Ebola、Earnings(業績)、Europe、Economy(景気。米国の小売り売上高が減った)、Energy、Easing(量的金融緩和終了)、Midde East(中東の地政学的リスク)。Election(中間選挙)は終わった。SAASのようにEbolaも倍返しになる可能性が高い。アメリカの対ヨーロッパはこれまでは10数パーセントあったが、今は5-6%。なのでヨーロッパの影響はそこまで受けなくなっている。
 今年は、Middle Eastのリスクが高まる。石油価格暴落で、何かやらかす国が出てくる恐れ。予想しづらいが常に頭に置いておく必要がある。ただリスクの裏にリターンがある。見えないものを怖がっても仕方がないとの考え方。何かあっても慌てて売ったり、資金をすべてなくしたりしないように。何かあって全部終わってしまわないように。
 石油生産量は構造変化が起こっている。2008年と比べ、実際にここ4年くらいで北アメリカの生産量が40%増。OPECはほぼ変わらず。本当はいつ暴落してもおかしくない状況だった。2008年の暴落と違うのは、今回のはそこまで戻さない可能性が高いこと。シェールオイル革命でアメリカ経済独り勝ちだったが、原油価格が下落しないと個人の恩恵がわかりにくい。(ようやくシェール革命が恩恵をもたらし始めた。)今悲観的な見方をされているが、GDP7割を占める個人消費(アメリカ)に恩恵が来るはず。ただここ数か月はシェール関連企業の生き残りをかけた戦いで相場が上下。5月以降、車をよく使うシーズンになるので、それからプラスが待っていると考えられる。個人消費が盛り上がる影響はアメリカのほとんどの企業に影響がある。航空会社とかが先行して上がっているがもっと上がるだろう。自動車も(ガソリン車が得意なところ。)ガソリンが安くなると金がたまって住宅が売れる。家具が売れる。今は低迷しているが時間差をおいて来る。
 シェールガス損益分岐点は70ドルあたり。(40-100までいろいろあるが。)このまま下がるとしばらく生産をやめる。そのため70を超えることはもうあまり無いだろう。半年、1年くらいのリスクはとっているが、その後まだ40程度でとどまるとまずくなってくる。
 去年の段階で、アメリカ株は、S&P500指数で22.3%予想していたが、11.2%。そこまで届かなかった理由は大寒波。大寒波後はいい勢いで伸びたので、今割安で上昇が先延ばしになっていると思われる。
 今のS&P500指数、株価収益倍率(PER)推移は、1995年-2000年の傾きと似ている。結果、企業の利益は9%増加、PER7%拡大。結果として17%上昇を期待。ダウだと15%、2万ドル超え。(中長期的な収束。)
 テクニカルはほとんど役に立たない。5%が役に立ち、その中でも7割程度しか役立たないと思っている。(為替時代の経験より。)その中で信頼性が高いのがS&P500指数の推移のロウソク足。下値を嫌がっている。(ロウソク足がかなり下に長めになっている。)3本目下値を嫌がることはなかなかなく、そのあと数か月は上に行くサイン。
 テレビ、ラジオ、新聞、雑誌ではネガティブなニュースが多い。メディア間の競争(SNS)が増え、ネガティブな情報に反応しやすいため。(クリック数を上げるためにネガティブな情報を出しやすい。)結局買えなくて買いそびれるところがメディアの広告収入になる。無料のメディアに踊らされると機会損失の恐れ。
 「リスクを取らないリスク」という本を書いた。何もしないはリスクゼロではない。何もしないはマイナスの時代。経済成長の要因は人口の伸び率。アメリカは多いが日本はNG。経済が伸びると企業利益が伸びる。企業の利益が伸びると株価が上昇。人口が伸びる国では株価も長期的には右肩上がり。日本では右肩上がりが期待しづらい。老後の資金はアメリカが適している。日本はトレーディングに適している。トレーディングと中長期と分けて考えるべき。短期に走りがちだが、長期も考えておく。