のた犬のうまい猫めし

どら猫が作る、のた犬のための飯、略称、どら飯について語りつつ、各種技術、経済系セミナーに参加した報告、OSSいじってみた等のネタを入れていきます。更新情報はtwitterの@nota_inuにて。

「Javaプログラミングをスッキリ学ぶための10のコツ」セミナー

「スッキリわかるJava入門第2版」、「スッキリわかるJava入門実践編第2版」出版記念セミナー。岡田大輔氏(日本オラクルOracleUniversityビジネス推進部。Java関連資格・研修企画推進)、中山清喬氏(フレアリンク代表取締役)(スッキリ……の著者)。中山氏が主にしゃべり、時々岡田氏にふる感じで話が進む。

 

Java学習のかべパターンと解決方法】

  • 学び始める不安。文系。簡単ではなさそう。→挫折して失うものを具体的に想像する。オブジェクト指向は文系理系関係ない。簡単に見えるものが簡単とは限らない。有用かが大事。
  • 学習開始直後で、環境構築、エラー。→SaaSオールインワンIDEの活用。EclipseNetBeans、IntelJ等。NetBeansだと入れるとすぐ日本語になるので初心者に優しいらしい。(私はEclipse日本語化せず使う派。)中山氏はvi派らしい。vi用のvラッパーがEclipseにあるとか。エラーで動かない場合には「写経」(はじめのみ。コピペから少しずつ変えてみると良い。コンパイルエラーを確認する。わからなけれがググる。)→(って、このレベルの聞きに来る人が写経って通じるのか?)
  • 学習中のかべ。急に難しくなる。→一日一章計画はNG。難所にリソース重点的に投入。難所をしっかりフォロー。
  • 難しい原因と対策:複雑なのはゆっくり繰り返し、混乱するのは混乱のもと確認、教えにくい場合は教材講師選定。言葉で伝えにくいものは体験で(?)
  • 複雑な部分:配列参照、クラスパス(複数クラスファイル)、継承時コンストラクタ。(インスタンス多重構造と構築順序、暗黙の親、デフォルトコンストラクタ。)参照型、メソッド、クラスとインスタンス、thisやsuper、参照代入可能性。
  • 教えにくいの:参照、オブジェクト、抽象クラスとインタフェース、多態性、関数オブジェクトの概念。初学者や小規模コードでメリットを実感しにくい部分。
  • 現場と学んだこととのかべ。→慣れる。現と知識以外の知識。
  • Javaの今:2年周期で新しくなっており、先まで何が入るかは明らかにされている。Googleチュートリアル(入門)検索されているのはぶっちぎり一位で約24%(次はPHPで11%)。(Androidのせい?らしい。)企業利用率も一位Java、二位VB.NET(そうなの???)。JavaDayTokyoが2015/4/8@東京フォーラムがあるので、さらに詳しいこと知りたい場合はこちらへ。(http://www.oracle.co.jp/jdt2015/
  • 一線で戦う武器(言語)をいくつ持てるか。中山氏の場合、汎用としてJava(Play、JEE)、短期決戦用にRubyRails)、Client、SPA用にJavaScriptjQuery/Ext)、TEX(出版言語として)。武器数制約を考えるとJavaは優位。(デバイス、作れるものなどの面で。)岡田氏はJavaOracleの社員だからw)。ClientとしてはJavaScriptも併用。
  • 何を目標に学べば良い?→成人学習には「必要性、得意意識、興味」のどれかが必要。短期目標(2週間、1ヶ月とか)としては次々達成していく達成感とリズム(自己肯定感)、長期目標としては将来達成する大きな価値を考える。(ビジョンに近い感じの。)自信を持つには資格などの第三者評価も有用。
  • 資格:Oracleが行っており世界共通の資格。海外でも有用(へー)。ITSSスキル標準と合わせ、Bronzeは0、Silverは1、Goldは2、その上に3。昔は試験範囲が広く受かりにくかったが、今は細分化して受けやすくなったらしい。Bronzeは新人研修やったら取れるレベル。スッキリシリーズ入門+実践で、SilverからGoldの途中くらいまでカバー。(Goldは若干マニアックな部分が含まれているため。)試験対策としては黒本(徹底攻略Java SE 7 Silver問題集 http://www.amazon.co.jp/%E5%BE%B9%E5%BA%95%E6%94%BB%E7%95%A5Java-Silver%E5%95%8F%E9%A1%8C%E9%9B%86-1Z0-803-IT%E3%83%97%E3%83%AD-IT%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E5%BE%B9%E5%BA%95%E6%94%BB%E7%95%A5/dp/484433610X/ref=pd_bxgy_b_img_z とか)で。
  • 効率よく学ぶには?→「成長が金や時間を生む」人は効果な研修も効率が良い。(急速に成長させることで利益がちゃっちゃと出る場合。ただし研修には当たり外れあり。)(スッキリ入門編は一週間程度を目安。)Web独学は茨の道。(概念、広い範囲。)一般的な人向けには市販書での勉強がバランス良い。書籍はコレを選び、周辺情報をつけていくのが良い。Webもホットやすごいのもあるが、古いものもあり初めての人はそれが選別できない。取捨選択ができないうちは何かによりそって(研修、本)、で。
  • 入門者に教えられない→知ってると使えるが違うように、使えると教えられるも別の能力。壁を超えるための定石がある。訓練が必要。(トレーニング方法もある。)教えるための意識は技術者と真逆。
  • ***トップダウンボトムアップのメリットをうまく利用する。全体がこんなにたくさんある、と思ってしまうと不安(トップダウン)になるが、終わりが見えない不安(ボトムアップ)もある。入門者向けとしてはボトムアップで小さな達成感を繰り返すのが良いが、研修テキストだとトップダウンが多い。(学習ゴールがあり全体が見えているため。)どっちかではなく組み合わせる。ボトムアップだと、次へ行く前に動機づけする。
  • ***ルールから説明と具体例から説明、も同様にメリットをうまく利用する。例えば、の例から像を結びやすい人もいるし(人による)、確実に原則を伝えられるルールベースが良いことも。学び手との相性を見つつ。
  • 入門者向け解説パターン:少しずつ(学び、動かし、少しずつしか見せない(見ると不安・混乱。ただある程度割り切って隠さないと、受け手がわかりにくくなる。解説に矛盾が出てくることもあるので説明順番が難しい。正しいことを話していない罪悪感も)、デフォルメ(簡略化。単純化。導き手の能力が問われる)、題材選び(学び手がよく知り、興味がある題材を。勉強自体に興味が無い人にたいしてどうするか。新人に対してだと業務のイメージがないので、業務に寄せるか、それ以外のものに興味をもたせるか、が難しい)。→導き手としての勇気(学びての成長のために隠す(高度な知識や用語を飲み込み、厳密に不正確でなく、高尚ではない題材を選ぶ勇気。周り(知っている人)から見て怒られないか。ただこれができず技術者メンタリティから離れられないとダメ。
  • 導き方は?→カリスマ型(背中を見せて)、スコート(手を取って一人ひとりの目を見て。その人にとってわかりやすいのはなにか個別に対応)。素敵な学びの経験を持つと導き手に近くなれる。今後導き手スキルは重要。

 

【スッキリ本の中の人】

  • 著者中山氏の他、国本氏(ServletJSP講師)、飯田氏(SQL担当)。イラスト高田氏(ドイツ在住)、DTPにSeaGrape氏(?)、編集石塚氏、片元氏、玉巻氏(編集長)。他にも営業、デスク等。
  • 著者はTeXで仮組みしつつ執筆。miyabilink.jpという会社につとめている人たちが頑張る話(サイトは実在。)このサイトや中山氏のブログにもなんか色々あるらしい。

 

質疑応答

  • 年配(経験者)どうすれば?→全体研修より個別のほうがいいかも。バックグラウンドが多種多様だと議論が発散したり。一日の研修中一時間をバックグラウンド確認に使ったりもするw
  • 教えるときに、先に高度なことを見せることによって基礎的なところに合点がいくこともあるのでは?→情報量を見せないことが手法としては多いが、納得されないことも。受け手が高度なものをすっと受け入れることもある。教える側が選択を判断する。学び手のタイプによって変えたり。前提知識がない人には最初から、知識があったり好奇心が高い人には実力100に120あたりを与えてみるとか。(焚きつける。より高みを目指させる。)